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チーム分析 2026年5月9日

サンダー嫌いでも
認めざるを得ない OKCサンダー優勝への道を徹底分析【2026】

タンキング疑惑・スモールマーケット・SGAのフロッピング……嫌う理由には事欠かない。でも正直に言おう。数字は嘘をつかない。

なぜサンダーは嫌われるのか

まず「サンダー嫌い」の気持ちを全力で肯定しておこう。嫌う理由は三つある。

① スモールマーケットで盛り上がらない

2025年のNBAファイナルはサンダー対ペイサーズ。オクラホマシティ対インディアナポリスという、アメリカ中規模都市同士の対決に、元NBA選手のマリオ・チャーマーズは率直にこう言った。

「サンダーには勝ってほしくない。スモールマーケットだから。ビジネス的にどうするんだ、ということだよ。大都市のチームが優勝しないといけない」

— マリオ・チャーマーズ(元NBA選手)/ Yahoo Sports

アダム・シルバー コミッショナー自身がファイナル序盤の「ネガティブな反響」に言及するほど、世間の関心は薄かった。ファイナルの平均視聴者数は序盤8〜9百万人台と低調で「史上最もつまらないファイナル」と揶揄された(FanSided)。

② タンキング疑惑:ドラフト指名権を34枚溜め込んだチーム

ドレイモン・グリーンをはじめ多くの批判者が指摘するのが、サンダーの"設計されたタンク疑惑"だ。その経緯を見てみよう。

出来事 獲得した資産
2019 ポール・ジョージをトレード SGA + 1巡目指名権5枚 + スワップ権2つ
2019 ウェストブルックをトレード 1巡目指名権3枚 + スワップ権
2021 ドラフト ジョシュ・ギデイ(6位)
2021 保有指名権の合計 7年間で34枚(1巡目17枚)
2022 ドラフト抽選 2位指名権 → チェット・ホルムグレン
2022 ドラフト(CLAクリッパーズ枠) ジェイレン・ウィリアムズ(12位)

これほどの資産をかき集めたチームが強くならないわけがない——という嫉妬と怒りはある意味正当だ。ドレイモンは「サム・プレスティはユタ・ジャズと同じことをしてタンクで優勝した」と名指しで批判している(ClutchPoints)。

③ SGAはフロッパーだ

これが最大の批判だろう。2026年プレイオフ第2ラウンド・レイカーズ戦Game 1直後、「SGAはプレーのたびにフロッピングしている」というクリップがSNSで拡散し、ESPNの「パット・マカフィー・ショー」にまで飛び火した。ジェイレン・ブラウンやサクラメント・キングスのマイク・ブラウンHCも公然と批判している。

📊 SGA フリースロー試投数

レギュラーシーズン平均:9.4本(リーグ2位)
2026年プレイオフ:12.3本
出典:ESPN / NBA.com

それでも数字は嘘をつかない

嫌いな気持ちは十分わかった。ここからが本題だ。

2025-26レギュラーシーズン成績は64勝18敗(リーグ1位)。ここまではまあいい。問題は中身だ。

+15.5
1試合平均得失点差
NBA史上最高記録
103.6
ディフェンシブレーティング
リーグ1位・歴史的水準
31.1
SGA 平均得点
FG55.3% / 2年連続MVP
127
SGA 連続20得点試合
ウィルト超えの新記録

得失点差 +15.5はどれだけ異次元か

1試合平均の得失点差が+15.5——これはNBAの歴史上、いかなるチームも記録したことのない数字だ。1シーズン累計では+1,243点で、こちらも史上最高(SI.com)。ちなみに前記録はサンダー自身が2024-25シーズンに樹立した+12.9だった。自分たちで記録を更新し続けている。

ディフェンスの支配力は「別次元」

ディフェンシブレーティング103.6——2位のヒューストン・ロケッツが110.3で、その差は6.7ポイント。2位と22位の差が6.4ポイントしかないことを考えると、この数字がいかに異次元かわかる(The Athletic / NBA.com)。

SGA:MVPを88票で圧倒的に連覇

今季のSGA平均スタッツは31.1得点・6.6アシスト・4.3リバウンド・FG55.3%。2年連続MVPを88/100票という圧倒的支持で獲得。クラッチプレイヤー・オブ・ザ・イヤーも96/100票で受賞した(ESPN)。また20得点以上を127試合連続で記録し、ウィルト・チェンバレンが持っていた記録を超えた。フロッパーであろうとなかろうと、この生産性は本物だ。

🏆 2025-26 SGA 受賞歴

Kia NBA MVP(2年連続)— 100票中88票の1位票を獲得
クラッチプレイヤー・オブ・ザ・イヤー— 100票中96票
出典:ESPN / Yahoo Sports

SGAのフロッピング問題:本当にズルいのか

SGAへの批判は一部正当だが、混同されている部分がある。

フォールバイティングとフロッピングは違う

フロッピングは「当たっていないのに倒れること」。フォールバイティングは「相手のファウルを誘導する技術」だ。SGAがやっているのは大部分が後者であり、これはKDやコービー、ジェームズ・ハーデンが長年磨いてきたスキルと本質的に同じだ。嫌いなのはわかるが、反則ではない。

それでも「やりすぎ」という批判は残る

とはいえ、チェット・ホルムグレンまでもが試合中に「馬鹿げたフロップ」をやらかしてメディアに取り上げられるなど(Yardbarker)、チーム全体の文化として染み付きつつあるのは事実。この問題はサンダー自身も向き合うべき課題だろう。ただし——それはプレイオフの結果とは別の話だ。

タンキング批判:本当にズルかったのか

ここは少し擁護しておきたい。

2019-20シーズン、ポール・ジョージとウェストブルックを放出したOKCは「完全タンク」と予想されていた。だが実際の成績は44勝28敗。プレイオフにも進出している。ドレイモンの言う「タンクで成り上がった」という批判は、少なくともこの点では事実と異なる(Thunderous Intentions)。

本当の話をすると、サム・プレスティGMが行ったポール・ジョージのトレードは、NBA史上最高のトレードのひとつだ。見返りにSGAを手に入れたあの判断は、結果論ではなく当時から業界内で高く評価されていた。ズルいというより、圧倒的に賢かったのだ。

「サム・プレスティは去年、ユタがやっていることと同じことをしてチャンピオンになった」

— ドレイモン・グリーン / ClutchPoints(Thunder側はこれに反論している)

結論:嫌いでいい。でも最強は認めろ

2025年NBAチャンピオン。2026年プレイオフ第2ラウンドではレイカーズに2連勝(Game 1: 108-90、Game 2: 125-107)。マーク・ダイグノルトHCは就任以来プレイオフ第1ラウンドで一度も負けたことがない

サンダーが嫌いな理由は正当だ。スモールマーケット・タンキング疑惑・フロッピング文化——どれも「なんか好きになれない」理由としては十分すぎる。でもそれとこれとは別の話だ。

📊 認めざるを得ない数字
+15.5 / 103.6 / 2年連続MVP

嫌いなまま優勝を見届けることになっても、それはあなたのせいじゃない。サンダーが強すぎるだけだ。2025年のファイナルはGame 7で1,640万人が視聴した。「つまらない」と言っていた人たちも最後は見ていた。それが答えだ。

【主な参照データ・出典】

※ データは2026年5月9日時点のものです。

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